札幌市の気候 - 冬のヒートアイランド現象
全国的に、札幌の冬と言えば寒さが非常に厳しいとのイメージが、広く浸透しているが、実際の近年の札幌は、冬季のヒートアイランド現象が東京などと共に日本の都市部の中では最も著しい都市として知られている。実際この100年間に札幌の1月の最低気温は6.5度も上昇し、名古屋(+4.3度)や大阪(+3.6度)の上昇率をはるかにしのいでおり、東京(+6.9度)と同程度である[4]。その結果、近年、札幌気象台が設置されている中心部では、厳寒期に最低気温が、-20度前後に下がることは皆無となり、それどころか、-10度以下まで下がることも激減した上、更には1月の最低気温の平年値(-7.0度)より低くなることさえ少なくなった。特に2000年代以降の最低気温の上昇率は東京をしのぎ、全国トップクラスである。そのため、北海道で最も温暖な気候とされていた、道南の沿岸部の地域(伊達市や函館市など)や、東北地方の内陸の一部地域(岩手県盛岡市や山形県米沢市など)よりも厳寒期の最低気温が高くなる日も多く、時には北関東の内陸平野部よりも冷え込みが緩いことさえある。
なお、札幌の最低気温極値は1929年2月1日に観測された-28.5度であるが、1954年1月24日に-20.9度が観測されたのを最後に、過去50年以上も-20度以下の気温が観測されていない。平成以降では1991年2月20日の-16.0度、21世紀では2001年1月14日の-15.0℃で、-15度以下の気温も過去10年以上観測されていない。近年は最も低い気温でも、-10?-12度程度にしか下がらない年が続いている。そして更には、記録的な暖冬であった2007年と2009年のように、1876年の観測開始以来初めてとなる、-10度以下の気温が全く観測されなかった年も、出現し始めているほどであり(2007年の最低気温は同年1月26日に観測された-9.4度、2009年の最低気温は同年1月26日に観測された-9.9度である)、ますます最低気温の上昇傾向が続いている。
参照元:Wikipedia「札幌市」