札幌市の気候

亜寒帯湿潤気候と日本海側気候、内陸性気候の合併気候である。日本海側から太平洋側へと続く内陸方面にかけての平地に広く市街地が広がってることから、他都市に比べても気候の地域差が大きい。
冬は降雪量が多く、年平均597cmの積雪量が観測されるが、海からの偏西風に直接さらされないため、近隣の小樽市、石狩市よりは少ない。また、190万人を超える莫大な人口を抱える都市だけあって、除雪などの雪への対策も、道内の他の豪雪地帯に比べて充実していることから、市民の生活への支障が少なく、特別豪雪地帯に指定されるには至っていない。それでも降雪量は凄まじく、人口150万を超える大都市がこのような降雪地域に存在するのは世界的にも極めて異例である。主に小樽に隣接する日本海側に近い札幌気象台のある札幌中心市街地と江別、北広島や恵庭に隣接する内陸部(豊平区や白石区より内陸側)では、特に真冬の朝晩の気温には非常に大きな違いがある。例えば、各地の空港などで目的地の札幌の気温として表示されるのは新千歳空港の気温で、朝方にはしばしば氷点下20度前後を示しているが、札幌気象台の気温はそれより10度以上も高いなど、大きくかい離してることが少なくないのはこのためである。
夏は梅雨がなく(蝦夷梅雨という、7月後半に雨が続く現象はある)、台風の影響も少ない。1981年の石狩川の氾濫以降、大規模な河川の氾濫はない。山地に夏頃まで残る積雪が貯水の役割を果たし、水資源は豊富である。また、かつて夏は本州や四国、九州、沖縄の様に暑くならず過ごし易い気候であったものの、現在は高気圧に覆われて晴れた日に、30℃を超えることが多くなる。近年はヒートアイランド現象の影響により、夜になっても気温が下がりにくい環境となり、本州や、四国、九州、沖縄県の都市のような、最低気温が25℃を下回らない熱帯夜が観測される事は、極めて稀であるものの(1876年の観測開始以来2回)、朝晩の最低気温が20℃を下回らない日(いわゆる真夏夜)の多さは、北海道随一である。日中は暑くなっても、朝晩は涼しくなり、時には肌寒くなるという1980年代後半までの様ないわゆる札幌=避暑といった快適な気候ではなくなりつつあり、8月の最低気温の平年値(1981?2010年)は19.1℃と、北海道で最も気温が下がりにくいとされている、道南の沿岸部の多くの地点と比較しても、ほぼ同程度であるか、むしろ高めである。近年ではそれらの地点を押さえ、朝晩の最低気温が道内の観測地点で最も高く観測されることさえ珍しくなくなってきており、全国的にイメージされる北海道の快適な環境ではなくなりつつあるといっても過言でないほどになっている。
 
参照元:Wikipedia「札幌市